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第69回 国の借金とサラ金の違いについて

  要するに、我々はサラ金が怖いのである。だからサラ金業者が取り立てに来ないと知れば、恐怖はやわらぎ物事を冷静に考えられるようになるはずなのだ。結論を先に言ってしまえばそういうことだろう。よって今回は国の借金がサラ金といかに違うかを考えてみる。
 
 まず、自分自身の体験から話そう。私は、かつて勤めていた会社で非常に気の毒な人を見たことがある。彼はネズミ講にひっかかり、若くして多額の借金を負っていた。彼のもとへ職務報告に行ったとき、乱雑な彼のデスク上に「完済証明書」と書かれた紙が無造作に置かれているのを見た覚えがある。彼が借金を抱え四苦八苦していることは職場中の人間が知っていたことだが、そうは言っても実際に借金苦の証拠を間近に見て何事もなく取り澄ましているなど、それはそれで胸苦しい思いにさせられたのをよく覚えている。


 
 ある時など職場にサラ金業者から追いこみの電話がかかってきた。こちらが「どちら様でしょうか?」と礼を尽くして聞くと、「○○だっつってんだろうが!!」とヤカラ声で騒ぐのだ。何度電話を切ってもしつこくかけ直してくる。あまりに追い込みがキツイので上司は気の毒な彼に自宅待機を命じた。こういう業者相手にはつとめて冷静に対応し、いざとなったら「警察に連絡しますよ。ガチャ」でよいのだが、血気盛んな某若手社員がつい「バーカ」とつぶやきながら電話を切ったものだから、「バカとはなんだこるぁああ!!」と、さらに電話攻勢が激しくなり閉口したものだった。
 
 嵐のような電話攻勢の翌日。出社した彼は全員に平謝りだった。人柄のよい地方出身者なだけに、なおさら悲哀の情は募った。30代後半のはずが定年間近と思わせるほどのやつれぶりを思い出すと今でも言葉もない。業者の電話攻勢が迷惑だったのは事実だが、それ以上に彼の境遇に同情の念を禁じえなかったのである。
 
 芸能界で借金といえば、まず江頭2:50だろう。江頭も気の毒な彼と同様、ネズミ講に引っかかって多額の借金を抱えた口だ。さらにカードにハマっていたというから性質が悪い。家賃2万4千円の部屋で畳の下に穴を掘り、業者から“大脱走”を繰り返していたのは知る人ぞ知る“伝説”である。



 先日、往年の名バンド「ザ・タイガース」が一夜限りの復活を遂げて話題になった。沢田研二や岸部一徳に加えて脳梗塞で歩行困難に陥った岸部四郎もステージに上がりファンの感涙を誘ったが、岸部四郎氏が脳梗塞を患った遠因が借金による自己破産にあったことは言うまでもないだろう。四郎氏の自己破産はマスコミやテレビ業界で面白おかしく取り沙汰されたが、タイガースのファンは四郎氏の回復を心から願っているそうである。
 
ザ・タイガース
 
 それにしても!借金のなんと恐ろしいことよ…。こういった事例を見聞きすれば誰しも「借金はイヤなもの、恐ろしいもの、してはならないもの」という信念を持つようになるだろう。過酷な取り立てで苦しむのが自分だけならまだいい。家族も友人も巻き込むなど悪夢そのものだ。計画性のある住宅ローンならまだしも、分不相応な暮らしのツケ、遊ぶ金欲しさ、ムダづかいの穴埋めとしての借金は厳しく非難され忌避される。生活者としては当然のことだろう。一家庭人としてなら「極力借金しない」ことは美徳なのである。
 
 「言葉は生き物だ」ということを忘れてはいけない。生活者にとって「借金」という言葉は単に帳簿上の「負債」を意味するものではない。生活者にとって「借金」とはすなわち「業者による過酷な取り立て」や「家族の苦しみ」「職を失う恐怖」「病気」ひいては「死」の暗喩なのである。「借金」という言葉ほど恐ろしいものはない(しかも経済学や会計学では、このような言葉の持つ「生きた意味」が往々にして無視される傾向がある)。
 
 とまあ、こういった状況であるから「国債と借入金、政府短期証券を合わせた国の債務残高が2012年度末で1085兆5072億円となる」などと財務省が発表すると、多くの国民はふるえあがる。「国の借金1000兆円」という言葉は生活者にとって死刑宣告のような響きを持つ。
 
 そしてここに「自己の信念や体験を一般化して考えやすい」という、人間の持つどうしようもない習性が加わる。「こんなに途方もない額に借金が膨れ上がったのは、国がムダづかいをしつづけたからだ」と誰しも考える。結果、後先考えずにカードで豪遊した江頭2:50のような政府のイメージが形成されていき、「消費税5%分のみなさんの税金に、シロアリがたかってるんです」という政治家の発言が良心的な意見として支持され、事業仕分けが一時的に支持されるような空気が生まれていく。
 
 
 これらはすべて「借金」という言葉の辞書に書かれていない意味がもたらした効果であって、ごく普通の良心的生活者なら誰しもこう考えて当然である。民主党による政権交代詐欺は、生活者の良心につけ込んだ詐欺だったと言われる所以だ。だから生活者は賢くならなければならない。家族を守るために、賢くならなければならない。
 
 まず自分が借金苦で首が回らなくなっていると仮定しよう。借金苦から逃れるためにはどうすればいいか?金を作ればいい。そのためにはどうするか?働くしかないと多くの生活者は考えるだろう。それは確かに正しい。生活者が金を手に入れるには普通は働くしかない。まさかコンビニで1万円札をコピーしてサラ金業者に手渡すなんてことは出来ないだろう。土日にアルバイトしてでも返さなきゃならない。それが常識だと、みんなそう考える。
 
 しかし実は国家財政に関してはその常識が通用しない。まさかと思うかもしれないが、政府は1万円札をコピーして払うことができる。なぜそんなことができるか。「通貨発行権」が政府には認められているからだ。今でも政府は毎年相応の額の紙幣を刷っている。これは別に金塊とか土地で担保を取っているわけでもなんでもない。単純に刷ってるだけである。そして刷っただけの1万円札をみんな何の疑問も持たずに使っている。だからいざとなれば刷ればいい。この点、日本国債が円建てであることが重要だ。その気になれば日本円を刷って返せるのが日本の借金なのである。
 
 「安易に札束刷ってインフレになったらどうしてくれる!?」という反論にはあまり意味がない。というのも今はデフレだからだ。ちなみにハイパーインフレは供給力が壊滅した国で起こるものであり、供給過剰でデフレになっている日本でハイパーインフレを心配するのは、空が落ちてくるのを心配するようなものである(個人的には大陸間弾道弾を数発撃ち込まれるか、定額給付金を一人頭10億円ぐらい出せばハイパーインフレになると思う)。
 
 もちろんこれが米ドル建ての借金だったら話は別だ。当たり前だが日本政府に米ドルを勝手に刷る権利はない。無理して米ドルを刷ろうものなら「日本が国家ぐるみで米ドルを偽造した!」とオバマ大統領はカンカンに怒るだろう。米第7艦隊が東京湾に大挙して乗り込んでくるかもしれない。ステルス戦闘機が首相官邸上空を威嚇飛行するかもしれない。まさにサラ金業者に追い込みをかけられるような羽目に陥る。

 
 しかし繰り返すが、日本の借金は日本円建てである。日本政府が円を刷って借金を返す分には世界中の誰からも文句をつけられる筋合いはない。よってサラ金業者は来ない!
 
 「いや、国際社会にはアメリカ以外のサラ金業者もいるぞ。IMF(国際通貨基金)が乗り込んでくるかもしれないじゃないか!」という意見の持ち主もいるだろう。「実際IMFは消費税を15%に上げろと騒いでるじゃないか」と。これには若干説明が必要かもしれない。IMF内部には日本の財務省から「天上がり」した人々がおり、彼らは日本国財務省の省益のために働いているから「日本は消費税を15%にあげろ」などと寝言を言わせて悦に入っている。しかしIMFに金を融通しているのは誰あろう日本である。金主の日本に国際通貨基金が乗り込むなどというのは、サラ金業者がケツ持ちのヤクザに追い込みをかけるのと同じくらい馬鹿げた話だ。万一わけのわからない因縁をつけられても、「こんなら誰のおかげで商売できとるんの!?」と広島弁で一喝すれば終わりである。よってサラ金業者は来ない!
 
 「いや、本当のサラ金業者は日銀なんだ」という声もちらほら聞かれる。これにも若干説明が必要だろう。日銀に日本国債を買わせることで大規模な財政出動をしようと政治家が発言すると、途端に「日銀への国債利払いで日本が沈没する」と言いだす人がいるのだ。
 
 しかしこういうことを言う人は日銀法を理解していない。確かに政府が日銀に国債を売れば、政府は日銀に国債の利息を支払わなければならないが、政府が払った利息は日銀法に基づき国庫納付金および法人税等としてほぼ全額政府にキャッシュバックされることになっているのだ。
 
 仮に政府が借り手で、日銀がサラ金業者だとしよう。この場合、確かに借り手(政府)はサラ金業者(日銀)に利息を支払う。しかし利息を受け取ったサラ金業者(日銀)は、その利息をまとめて借り手(政府)にまた返すことになるのだ。一体、どこの世界に受け取った利息をまた返すバカなサラ金業者がいるだろうか?要するに日銀に国債を買わせれば、もうそれは借金ではなくなるということなのだ。つまり、やっぱりサラ金業者は来ないのである!!
 
 世の中には「いつ日本が財政破綻するのか怖くて眠れない」という人がいるらしい。サラ金業者がドンドンドンドン!と自宅のドアを力任せに叩くように、日本の借金が返せなくなって悪夢の取り立てに遭う日が来ると心配している人がいるらしい。そういう人に言いたい。「サラ金業者は来ません。安心して寝て下さい」と。
 
 生活者が本当に注意するべきことは別にある。「いつか日本が破産するのでは?」という恐怖心を煽って、自分の本を買わせたり、自分の進める銘柄に投資させようとしたりする連中だ。彼らに騙されないよう注意を怠らないでほしい。彼らに騙されたが最後、本当に業者があなたの家のドアを叩くかもしれないのだから。

2003年     2014年 
※10年以上も同じことを言って儲けようとしているバカがいる!騙されないように!!



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